近年では、業務を効率化してくれるツールが数々登場しています。リモートワークの導入が進められる今、便利な業務効率化ツールを利用することは非常におすすめです。
一口に業務効率化ツールといっても、さまざまな機能があります。そこで今回は、リモートワークで活用できるツールを12個ピックアップし、種類別に紹介します。最適なツールを選ぶ際に、ぜひお役立てください。
Contents
コミュニケーションツール
社内外のメンバーとやり取りできるコミュニケーションツールは、リモートワークに欠かせません。コミュニケーションツールには、ビジネスチャット・社内SNS・Web会議ツールなどさまざまなタイプがありますが、ここではおもなツールを6つ紹介します。
Microsoft Teams
Microsoft Teamsは、Microsoftが提供するオンライン会議ツールです。Microsoft 365の一部のサービスとして提供されているほか、限られた機能のみが利用できる無料版もあります。
会議中のメモの作成や画面共有が活用でき、有料版では会議のレコーディングも可能です。また、ホワイトボードという共有デジタルキャンバス機能も特徴の一つで、会議中に図形や文字を書き込むことができます。
会議の参加者数の上限は、無料版では最大100人(2021年6月30日までは300人)、有料版では最大1万人となっています。会議も、無料版60分(2021年6月30日まで)、有料版はどのプランでも24時間の通話・ビデオ通話が可能です。
Microsoft Teamsは、Windows・Mac・iOS・Androidで利用できます。
料金
無料~
Google Meet
Google Meetは、Googleが提供しているオンライン会議サービスです。無料版を利用するにはGoogleのアカウントを取得しなければいけませんが、Google Workspaceの契約者であれば、Googleアカウントのない人も招待して会議に参加させられます。アプリやソフトのダウンロードが不要となり、ブラウザ上で会議に参加できるのが特徴です。
会議の参加者数の上限は、無料版では最大100人、有料版では最大250人となっています。1対1の会議は無料版・有料版ともに24時間利用可能ですが、会議の参加者が3人以上の場合は無料版で最長1時間(Gmailのアカウントを利用の場合、2021年3月31日までは24時間利用可能)、有料版では最長24時間まで利用可能です。
Google Meetの特徴的な機能として、自動の字幕起こしがあります。英語のみの対応ですが、英語の字幕を日本語に翻訳させることもできるため、会議の内容がリアルタイムで字幕として表示されます。
料金
無料~
Cisco Webex
Cisco Webexは14ヵ国語に対応する、世界で利用者の多いオンライン会議サービスです。Cisco Webexは、Microsoft Teams・Slackといった会議ツールや、学習管理システムなどの他社のツールからでも会議に参加できます。会議を主催するには利用登録が必要ですが、会議の参加者として招待されれば、登録していなくても接続方法に関わらず参加可能です。
もう一つの特徴に、複数のライセンスを同時購入できる点があります。ライセンスの数だけミーティングルームを立ち上げて、会議を同時開催することが可能です。
また、有料プランでは、複数の主催者で会議を共同開催できます。会議に参加できる人数は、主催者1人当たりで決められているので、主催者が増えれば参加可能な人数を増やせます。
最大参加人数は、無料プランで最大100人、有料プランで主催者1人当たり最大200人となっています。
料金
無料~
Slack
Slackは、グループや個人同士でやり取りできるチャットツールです。プロジェクトやチーム、トピックごとにチャンネルを分けて整理できるので、目的ごとの情報の確認がスムーズに行なえます。
誰でも参加・閲覧・検索が可能なパブリックチャンネルや、招待されたメンバーのみが参加できるプライベートチャンネルに分けられるため、必要な人が必要な情報を簡単に見つけられます。
Googleドライブ・Googleカレンダー・Dropboxといった、普段使っているアプリを追加し、Slackを通して画面共有やファイル共有を行なうことも可能です。
料金
無料~
ChatWork
ChatWorkはSlack同様、グループ間・個人間でやり取りできるチャットツールです。メールアドレスがあればアカウント登録ができ、名前やメールアドレスでつながりたいユーザーを検索し、ユーザー同士でコンタクト追加を行なえば自由にチャットできます。
パソコン・スマートフォン・タブレットといった、さまざまなデバイスで利用できるので、場所を選ばずコミュニケーションが可能です。
タスク管理機能があるのも特徴の一つで、期限の設定や担当者の割り当てなど、タスクを自由に作成・編集できます。タスクが完了するとチャットに通知され、相手に知らせてくれます。
また、チャットの参加メンバーとは、ビデオ通話・音声通話も可能です。有料プランでは、複数人でのビデオチャットができます。
料金
無料~
Zoom
Zoomは、新型コロナウイルス感染拡大防止対策での外出自粛などの影響により、ビジネスだけでなく、プライベートでのコミュニケーションツールとしても注目が集まったオンライン会議ツールです。パソコン・スマートフォン・タブレットなどのさまざまなデバイスで利用でき、ビデオ会議に必要な機能を備えているのが大きな特徴です。
会議を開く場合はアカウントの作成が必要ですが、会議に参加するだけであればアカウントを作成する必要はありません。主催者が事前に作成したミーティングURLを参加者に共有すれば、アクセスするだけで、手軽にミーティングルームに入室できます。
会議時間について、無料版は1対1なら無制限ですが、3人以上の会議は40分までとなります。有料版は人数に関係なく、無制限に利用可能です。
Zoomは、比較的通信量が低いので通信時の接続が安定しているのが魅力となり、同時接続性も高いといわれています。最大参加人数は無料版で100人、有料版では最大1,000人です。
また、Zoomの特徴的な機能として、無料版でも録画機能が利用できることが挙げられます。録画の操作は主催者が行ないますが、録画保存も可能です。無料版ではパソコンに直接保存される「ローカル保存」、有料版ではクラウドのストレージに保存される「クラウド保存」となります。
料金
無料~
リモートアクセスツール
リモートアクセスツールとは、離れた場所にあるパソコンにアクセスして、どこからでも遠隔操作ができるツールです。リモートデスクトップなどとも呼ばれます。
オフィスにあるパソコンを自宅のパソコンやタブレットから操作できたり、システム運用などでトラブルが起こったパソコンに対して、現場へ行かずとも遠隔操作によってトラブルシューティングをしたりできます。
ここでは、おもなツールを3つ紹介します。
TeamViewer
TeamViewerは、接続先のIDとパスワードを入力するだけで、パソコンだけでなくスマートフォンからでも操作が可能になるリモートアクセスツールです。
TeamViewerが操作をする側・される側どちらにもインストールされていれば、操作できるようになります。パソコンからパソコン、スマートフォンからパソコン、スマートフォンからスマートフォンといったように、さまざまなプラットフォームで接続可能です。
また、社外でのパソコン操作や接続はセキュリティ面に不安が残りますが、TeamViewerは最高レベルのセキュリティを保っているので安心できるでしょう。
TeamViewerはただ遠隔操作するだけでなく、スクリーンショット・チャット・音声通話・ビデオ通話の機能も備えています。
料金
非商用での個人利用は無料。1名3台まで接続可能なリモートアクセスは月額2,500円(税別)。
Splashtop
Splashtopは、法人・商用向けのリモートアクセスツールです。Windows・Mac・iOS・Androidとさまざまなデバイスから操作ができ、操作される側もWindows・Macのどちらにも対応しています。申し込み・アカウント発行・アプリダウンロードの3ステップで導入できる手軽さも魅力となり、最短で翌日から利用可能です。
Splashtopは、ファイル転送やリモート印刷、チャット機能も搭載されています。さらに、Wake-on-LANに対応していれば、電源の入っていないパソコンを立ち上げてリモート接続することも可能です。
料金
1ID 1万5,000円~(初期費用無料・30日間無料トライアルあり)
magicConnect
magicConnectは、自宅のパソコン・タブレット・スマートフォンにオフィスパソコンのデスクトップを呼び出して操作する、画面転送方式のリモートアクセスサービスです。画面転送方式とは、画面情報を操作する側の端末に送り、オフィスパソコンに操作情報を送る方式を指します。
アクセス方法には、USB型・端末認証型・モバイルの3タイプがあります。
複数のデバイスを利用してリモートワークを行なう場合は、USB型が最適でしょう。USB1本で社内のデータを持ち出すことなく、普段どおりの環境で仕事ができます。
特定の端末を利用する場合や会社貸与のパソコンから、端末認証型がよいでしょう。USBキー不要で、オフィスのパソコンの遠隔操作が可能です。
magicConnectでは、ユーザーごとの接続履歴の確認や、端末と機器のグループ化の設定といった機能があります。個人での利用よりも、会社など組織全体で利用するときに非常に便利なツールです。
料金
年間 | 初期費用 | |
---|---|---|
USB型 | 1万8,000円 | 1万5,000円~ |
端末認証型 | 1万8,000円 | 1万円~ |
モバイル | 1万2,000円 | 5,000円 |
RPAツール
RPAとは、事務作業などルールの決まった定型業務を自動化し、効率化を図るツールです。多種多様のものがあるので、目的に適したツールを選ぶことが重要です。
RaQubo
RaQuboはデスクトップ型のRPAツールです。非常に分かり易いシンプル開発画面が特徴で、業務担当者でもOJTをするような感覚で簡単に開発ができます。直感的な操作が可能ですので、専門用語や機能の知識など覚えることも最低限で済みます。
RaQuboにはさまざま機能があります。自社システムやExcel・Wordなどのアプリケーション起動をはじめ、メールの送受信、プリントアウト、データのアップロードといった基本操作、ExcelやWebブラウザ操作の自動化などが可能です。クラウド型と比較して、特定のデスクトップPCでしか動かせないローカルなアプリケーション操作にも対応できることは魅力的な点です。
サポート面においても、FAQサイトに加えて、オンラインMtgやチャット、リモートツールを使った個別相談プランがあるのは非常に安心できる部分です。
料金
無料トライアルあり
初期費用20万円・月額利用料5万円~
UiPath
UiPathは、パソコン上の業務を自動化できるRPAツールです。最低限の基本的なプログラミング知識が必要になるものの、高度な技術は必要がなく、ドラッグ・ドロップすれば簡単にシナリオを作成できます。
UiPathの特徴は、「自動化できるフローを作成する」「フローを実行する」「ロボットの稼働状況を管理する」の3つで構成されている点です。これにより、専門知識をそれほど持っていなくても、迅速な開発・導入が可能となります。
また、サポート体制も整っており、UiPathについて学べる動画やオンラインの無料トレーニングなどがあります。
料金
無料トライアルあり
UiPath Studio(開発が可能) | 35~60万円 |
UiPath Robot(実行のみ対応可能) | 15~75万円 |
UiPath Orchestrator(管理統制が可能) | 約250万円 |
※販売代理店によって異なる
BizRobo!
BizRobo!は、バックグランド処理が可能なサーバー型のRPAツールです。サーバー型RPAは、1台のパソコンで複数のロボットを稼働させられるため、大規模展開が可能です。
さらに、BizRobo!はバックグラウンド処理が可能なため、パソコン環境に影響されることが少なく、安定して処理ができます。
製品ラインナップは、スモールスタートで始めたい・まずは試してみたい方に最適な「BizRobo!mini」のほか、「BizRobo!Lite」「BizRobo!Basic」「BizRobo!DX Cloud」「B!aas」の5種類があります。
料金
無料トライアルあり
BizRobo!mini | 年間基本利用料金90万円 |
BizRobo!Lite | 年間基本利用料金120~180万円 |
BizRobo!Basic | 年間基本利用料金720円 |
BizRobo!DX Cloud | 初期費用20万円 年間クラウド利用料金240万円 従量課金は1アクション0.1円 |
B!aas | 月額4万円~ |
必要なツールを選ぼう
リモートワークで活用できる、12種類の業務効率化ツールを紹介しました。ご覧いただいてもわかるように、リモートワークで活用できるツールは多種多様なものが提供されており、機能にもそれぞれ違いがあります。
そのため、業務効率化ツールを導入するときには、自社が本当に必要としているツールを選ぶことが大切です。そうでなければ、せっかくツールを導入したのにうまく活用できず、余分なコストがかかってしまいかねません。
ツールの導入を検討する際には、まず「何をどうしたいのか」「自社にとっての課題は何か」を洗い出し、ツールの機能や費用を考慮して検討しましょう。